賃貸住宅メンテナンス主任者とは2023年11月に「公益財団法人日本賃貸住宅管理協会」が創設した新しい資格です。主に建物の維持保全に関する実務的な知識を習得できるため、現場に役立つ資格として注目されています。
近年、外階段崩落事故やサブリース契約による不動産投資トラブルなど、賃貸住宅管理に関わる社会的事故が発生し、賃貸住宅管理業界に対する社会的信頼が揺らぐ事態となっております。そのような状況の中、賃貸住宅管理業者の日常業務として家賃収納や入居者対応といった仕事についてはここ 20年間で業界としても深化し、建物の修繕業務については、専門事業者に外注している不動産会社も多く、建物の維持保全に関わる業務に関しては大きな課題があると考え、 2021年6月に賃貸住宅管理業法が施行され「賃貸住宅の維持保全」が管理業務として定義されました。賃貸住宅メンテナンス主任者と賃貸不動産経営管理士の違いは、賃貸不動産経営管理士は、賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律において、賃貸住宅管理の専門家として活動するうえで「業務管理者」の要件とされた国家資格であり、設置が義務付けられています。対して、賃貸住宅メンテナンス主任者は 賃貸住宅管理の知識を身に付け良い賃貸住宅の設備や維持保全等の「実務」に役立てることを目的として設置された資格です。
築古ブームやリノベーションの増加など、社会情勢としても賃貸住宅の重要性が増し、管理業務がより複雑になっている中で、これまで不足していた知識や実務を横断的に学び、建物や設備の修繕などハード面の知識を得ることで、設備の不具合に直面した時に的確な判断ができるようになります。これにより不要な外注をなくし、修繕費を抑えることがで
きれば、オーナーの負荷が軽減することにも繋がります。他にも、予防メンテナンスにより建物の寿命を延ばすことで、入居者の快適な暮らしにも繋がります。
建物の知識があれば、どの箇所でどのように漏水しているのか? 雨漏りか? 上階の溢水か? 配管か? など、さまざまな可能性を想像しながらの細かいヒアリングが可能になります。トラブルに対してもそれだけ正確な初動対応ができ、賃貸借契約や入居者対応といったソフト面だけでなく、ハード面の知見が広がることで、不動産オーナーに対する経営支援の幅が広がり、建物の修繕費や運営費など数字を使った提案、建物・設備の事故を未然に防ぐリスクマネジメントへと繋がります。