日本では賃貸契約の際に、賃借人に強い対応が出来ないことや大家さんが不利な立場になることも多いが、外国の場合はどのようになっているのでしょうか?
いろいろと調べましたら、日本とはだいぶ違うようです。アメリカを例に挙げてみます。
1,支払いが遅れたらペナルティーを請求する
日本で滞納問題は、大家さんの気苦労が絶えない悩み事のひとつですが、アメリカでは少し違うようです。賃貸契約書には毎月の家賃の締め切り日が記載されますが、その日を過ぎた場合は罰則としてペナルティーが課されます。家賃の5~6%が一般的で、滞納が続く場合は預かっている保証金から家賃の補てんとして引き出されることを定めていて、保証金からお金が引かれた場合は、賃借人が5日以内に入金して元の金額に戻す必要がある。
日本では遅延損害金というものがありますが年利換算なのでわずかな金額ですし、契約書に記載はありますがなかなか請求していないのが現状です。
2,ノースモーキングが当たり前。室内も共用部分もダメ
アメリカの公共の場はほとんどが禁煙だが、多くの賃貸アパートも禁煙にしている所が多くなってきている。室内はもちろん、バルコニーや共用部分の中でタバコを吸うことも禁止され、中にはアパートの玄関から数10メートル離れたところで喫煙するように細かく規定されることもあるようです。
日本は禁煙ではありませんが、喫煙による室内の損耗には費用を請求できるガイドラインがあります。アメリカは厳しいですね!
3,賃貸契約期間と契約更新ルールが明確
アメリカの賃貸契約では契約開始日と終了日を明記し、終了日(時刻も記述)に契約は終了する。契約終了時までに賃借人は退去する。これがシンプルなルールのようです。契約更新する際は、大家さんと賃借人の両者が1年などの期間を設定するか、1か月ごとの月極め契約かを定めて契約する。契約書を交わさずに更新するケースは、大家さんが賃借人から契約期間が過ぎているにも関わらず家賃を受け取った場合のみで、その際は「月極め契約」したと見なされ、賃貸契約を更新していなくてもその契約は有効となるようです。
日本では大家が賃料を受け取らなくても、賃借人が物件に居座ることで法的に更新とみなされます。この違いは衝撃を受けますね。
なお契約更新時に大家さんが家賃の値上げをする場合は、10%以下の値上げは1カ月前までの告知、それ以上の値上げは、2カ月前までの通知が義務付けられているらしいです。
これって、値上げに応じない場合はどうなるのだろう?
ここ数年アメリカで人気エリアの物件は、毎年家賃が上がる傾向にあり、更新時にも大家さんによる家賃の値上げが増加傾向なようです。それに応じられない場合は、当然賃借人は退去しなければならないらしい。えっと思いますよね。
アメリカの賃貸契約は、日本とは異なり、賃借人が順守すべき条件が細かく盛り込まれていて、大家さんの立場を守るものとなっています。
日本(賃借人保護・借地借家法)・・・・・アメリカ(賃貸人を守る)
日本はあまりにも賃借人が保護されすぎと私はこの仕事をしていて思います。もう少し限定的にでも(滞納者を明渡させるときなど)大家側にも権利が強くなった方がいいと個人的には思いますが、いかがでしょうか?