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契約自由の原則と強行規定

2023年4月7日 金曜日
売買お役立ち情報

契約は原則として、公序良俗に反する内容のものでない限り自由にすることができます。

これを契約自由の原則といい、民法上の基本原則であります。

民法に直接の規定はないようですが、第90条(公序良俗違反の法律行為の無効)や第91条(任意規定と異なる意思表示)などがその根拠となっております。

 

契約自由の原則は、以下4つに分類されます。

①締結自由の原則:契約を結ぶかどうか当事者が自分自身で決定できる

②相手方自由の原則:契約の相手方を誰にするか意思決定の自由

③内容自由の原則:契約の中身に何を盛り込むかは自由

④方法自由の原則:原則として契約は当事者の合意だけで成立し、書面化か口頭かなど自由

 

我々が携わる賃貸借契約では、③の内容自由の原則という点から、貸主様に有利な特約を入れることもあります。しかし、契約は自由であることが大原則ですが、法律の中で規定がある場合は、その規定に反する部分は無効になります当事者の意思にかかわりなく適用される規定を強行規定といい、当事者の意思が規定より優先する規定を任意規定といいます。

つまり、優先順位として強行規定契約自由の原則任意規定となります。

 

強行規定公の秩序に関する法律や、当事者以外の第三者の利害に影響を及ぼす法律の他に、経済的弱者保護のために設けられた法律である労働法、利息制限法、借地借家法、消費者契約法等が強行規定であります。

 

先程申し上げました契約自由の原則に基づき、貸主様に有利な特約を入れた際にそれが消費者契約法に抵触する内容である場合、消費者契約法は強行規定であるため無効となってしまいます。

但し、消費者契約法は消費者(消費者の定義は「個人」)と事業者との間で締結される契約であり、消費者同士(個人間)、事業者同士は適用されません。だったら貸主が個人なら関係ないんじゃ・・と思うかもしれませんが、貸主は事業者となってしまいます。つまり個人の借主と賃貸借契約を締結した場合、消費者契約法が関わってくることになります。

 

また、賃貸借契約は契約自由の原則に基づき貸主借主間で自由に内容を決めて(条項を定めて)合意することができますが、賃貸借契約の条項をどのように定めていても、借地借家法の強行規定に反する条項には、借地借家法の規定が優先して自由に定めた条項は無効となります。

 

以下に列記した内容は建物賃貸借に関わる強行規定ですので、この内容に反した(内容より不利な条件)は無効となってしまいます。

26条:更新拒絶をする場合、

期間満了の1年前から6ヶ月前までの間に相手方に通知しなければならない

27条:貸主からの解約の申し入れは6ヶ月前以上必要

28条:26条の更新拒絶には正当事由の要件が必要

29条:契約期間が1年未満の建物賃貸借は、期間の定めのない賃貸借として扱われる

 

このことから、「貸主の要求があれば、いつでも無条件で解約できる」「契約を更新しない」「契約終了時に立退料等は一切請求しない」「契約期間を6ヶ月とする」等の特約は借地借家法に違反するため無効になってしまいます。

なお、強行規定に違反する特約があった賃貸借契約であっても、借主が任意に履行してしまい、後日強行規定に違反していたことを知っても、遡ってその行為が無効であることは主張できないという説もあるようです(真意は不明ですが・・・)。

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