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知っておきたい!高齢者の自宅売却と意思確認

2022年5月10日 火曜日
売買お役立ち情報

近年、高齢者が自宅を売却して、老後の資金に充てようとするケースが増えています。

しかし、売買取引の現場では、高齢者の判断力の低下等により、売主の意思確認に問題が出てきてしまうケースもあります。本人の意思能力について売買(法律行為)を有効的に行う場合は、「意思能力」が必要となります。高齢者等が売却の意思表示をした時などに意思能力を欠いていた場合には、その法律行為は「無効とされます。

そのため、円滑に物事が進むように法定後見制度があります。

 

では、この制度について見てみましょう。

 

法定後見人いる場合:法定後見人とは原則として、親族であるかを問わず誰でもなれますが、本人の意向を踏まえ最終的には家庭裁判所が決定します。法定後見人が本人に代わり、あるいは同意を得て、売買が無効とならないように、その意思能力を補充します。

 

本人の意思能力が、

①(成年後見人)常にかけている場合は成年後見人が、本人に代わって法律行為を行います。自宅は重要財産であるため、この売却には必ず家庭裁判所の許可を要します。

②(保佐人)著しく不十分であり、本人が売却を望んだ場合には、保佐人の同意で売却行為が可能ですが、実務では慎重を期すため、家庭裁判所の許可を得るものとします。

③(補助人)不十分である場合は補助人、同意権の範囲が「居住用不動産の処分」を含んでいる場合には、必ず補助人の同意が必要です。そうでなければ本人(被補助人)の法律行為(意思表示)となります。しかし実務では、保佐人と同様に家庭裁判所の許可を得るものとします。法定後見人は区別により家庭裁判所に申し立てて選任されます。

 

各、①から③は法律行為の範囲が違いますので、実務が発生した場合は家庭裁判所に相談するとよいでしょう。

 

 

法定後見人いない場合本人から法律上有効な売却意志を慎重に確認します。自宅売却の必要性や売却に至る経緯、自宅を取得した当時の状況、居住年数、売却価格の妥当性やその使途、また必要に応じて医師の診断書(病状や経過等)、介護施設の入所歴、入院・通院歴、家族や親族の氏名など、総合的な視点から確認します。

もし応答に矛盾や不明瞭さがあれば医師の見解を求めながら、親族等と協議の上、法定後見人を付ける事や、あるいは売却自体の見直しを進言することなどもあります。

 

この他に、意思能力があり判断能力があるうちに、将来、判断能力が不十分な状態になることに備える、任意後見制度があります。本人が自ら選んだ方とあらかじめ、公正証書で結んでおいた任意後見契約に従い、判断能力が不十分になった時に、任意後見人が本人を援助する制度です。

 

最後に、令和2年度厚生労働省白書によれば、65歳以上の認知症率は、16.7%(約602万人)、実に6人に1人程度が認知症患者となっています。高齢者の自宅売却意思の形成は、本人よりも親族の強い意志でなされることもあり、売買取引の安全性を監視する事司法書士、家庭裁判所の重要な役割だと考えます。

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