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インボイス制度の不動産業の影響・・

2021年11月10日 水曜日
売買お役立ち情報

インボイス制度とは、消費税の税額計算をインボイス方式とする制度です。

インボイス方式とは、正式には「適格請求書等保存方式」といいます。

 

この制度の前提として、新たに「適格請求書発行事業者登録制度」が創設され、消費税の課税事業者には登録番号が附番されます。原則として「適格請求書発行事業者」から交付を受けた「適格請求書」の保存が仕入税額控除の要件とされ、登録事業者は適格請求書の交付・写しの保存が義務化されます。

 

これまで免税事業者(個人大家さんなども含む)であった者も「適格請求書発行事業者」に登録できますが、登録をすると消費税の課税事業者となります。登録をしていない免税事業者は、適格請求書を発行することができないことがこの制度の大きな特徴です。

 

例えば、店舗を賃借して営業している事業者にとって、これまで大家さんが消費税の課税事業者であるか、免税事業者であるかは問題ありませんでした。大家さんが課税事業者であれ免税事業者であれ、支払家賃は仕入税額控除の対象となり、自身が納税する消費税を引き下げる効果があったからです。

しかし、インボイス制度が導入されると大家さんが課税事業者であるか、免税事業者であるかは、賃借人である事業者にとって大きな問題になります。賃借人が、支払家賃について仕入税額控除を受けるには、大家さんから適格請求書の交付を受けなければなりません。大家さんが免税事業者で、適格請求書を発行することができないと、支払家賃に係る消費税相当額は仕入税額控除の対象とできず、店舗の賃借人である事業者は、その分の消費税を多く負担することになります。

結果として消費税相当分だけ経費は増大し、利益が圧迫されます。

そのような事態が発生した場合に、店舗などの賃借人である事業者の反応としては、どのようなことが想定できるでしょうか。課税事業者である大家さんの物件へ引っ越すか、大家さんと消費税相当額の値引きを交渉するか、ということが考えられます。そして、これは貸店舗だけの問題ではなく、貸事務所や駐車場にも同様の問題が発生します。

 

また、賃貸経営をされている大家さんの中では、ご自身が株主である資産管理会社などを設立し、経営の効率化や節税を図っている場合があります。

大家さん個人が消費税の納税義務者で、自身の資産管理会社へ管理費や清掃費などの手数料を支払っている、この資産管理会社が消費税の免税事業者である、という構図はよく見られる節税スタイルです。しかし、消費税のインボイス制度導入後この節税スタイルでは消費税の節税メリットは得られません。

資産管理会社が消費税の免税事業者である場合、大家さんは管理費などについて仕入税額控除を受けることが出来なくなり、自身の消費税の納税額が増加します。他方、資産管理会社を消費税の課税事業者として登録すれば、支払っている管理費などは資産管理会社側で課税売上として認識され消費税の納税義務が発生します。これまでのように、一方では仕入税額控除を行い、もう一方では免税により納税しない、という節税の取り扱いは受けられなくなります

また、物販や工事業者なども含め、制度導入後6年間は免税業者等からの課税仕入れについて、一定の控除経過措置がありますが、特例を受ける課税仕入れなどの帳簿等が必要になります。

 

それでは、不動産賃貸業に関わるポイントを押さえておきましょう。

提供している物件が住宅用のみであれば、免税事業者のままでも特に大きな問題は生じない

法人や個人事業主に店舗やオフィスを貸している場合やテナント用の建物を取引する際は、免税事業者のままだと不利益を被る可能性がある。課税事業者になることも検討したほうが良いが、これまで免税事業者だった大家さんが課税事業者になる場合は、益税を受け取っていた部分がなくなるため、プラスマイナスをしっかり計算しましょう・・・。

 

このインボイス制度は、一定期間の経過措置を含め開始までの準備期間に入ったということになります。詳しくは国税庁ホームページをご覧ください。

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